シェリング・プラウ株式会社(本社:大阪市中央区 社長:マーク・ティムニー)は、本日(平成22年1月20日)悪性神経膠腫の治療薬、「テモダール®点滴静注用100mg」(TEMODAL® Injection 100mg 一般名:テモゾロミド)の承認を取得いたしました。
テモダール®は旧シェリング・プラウ・コーポレーション(現:Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A:米国ニュージャージー州)が1991年に欧州連合(EU)で承認を受けて以降、カプセル剤と点滴静注剤を合わせ、現在90カ国以上で承認されており、点滴静注剤は33カ国で承認されています。
日本においては、2005年7月22日、厚生労働省の「未承認薬使用問題検討会議」により「テモダール®カプセル20mg/100mg」(TEMODAL®Capsule 20mg/100mg)が早期承認申請の要請を受け、申請後、同年9月30日付で「優先審査品目」に指定されました。その後2006年9月、悪性神経膠腫*1の適応を有する日本で19年ぶりの新規薬剤として発売されています。
初発の膠芽腫に対するテモダール®カプセルと放射線治療による併用療法は、放射線単独療法に比べ生存率の有意な改善を示すことが立証されています。放射線単独治療による5年生存率が1.9%であるのに対して、テモダール®カプセルと放射線との併用療法では9.8%であることが2009年3月に発表されました。*2
テモダール®点滴静注用100mgは、頭蓋内圧上昇に伴う悪心、嘔吐によりカプセル剤が飲み込めない患者さん、脳幹への腫瘍の浸潤などによりカプセル剤の嚥下が困難な状態にある患者さんなど、悪性神経膠腫の限られた患者さんに対する治療選択肢として静脈内投与が有益であると考え、開発された製剤です。
シェリング・プラウ株式会社はテモダール®点滴静注用の承認により、悪性神経膠腫の患者さんの治療選択肢の拡大に貢献できることを願っております。
*1原発性脳腫瘍の中で最も悪性度が高いとされる膠芽腫(こうがしゅ)を含む神経膠腫。Malignant Glioma
*2Lancet Oncology 2009 May;10(5):459-466
資料:
悪性神経膠腫について
脳には神経細胞と神経線維以外に、その間を埋めている神経膠細胞があります。この神経膠細胞から発生する腫瘍の総称が神経膠腫です。
神経膠腫に分類される腫瘍群のうち、悪性度の高い腫瘍を総称して悪性神経膠腫と言います。脳腫瘍のWHO診断基準のグレード分類では、平均的な予後によりグレードI〜IVに分けられます。グレードIが最も良性で、グレードIVが最も悪性です。通常、悪性神経膠腫とはグレードIIIの退形成性星細胞腫およびグレードIVの膠芽腫を示します。一般的に退形成性星細胞腫と膠芽腫は同一疾患の連続体であると考えられており、退形成性星細胞腫は膠芽腫へと悪性化する傾向があるとされています。退形成性星細胞腫は進行性の腫瘍であり、膠芽腫は成人における原発性脳腫瘍の中で最も多く見られ、かつ最も悪性度が高いとされています。日本における悪性神経膠腫の年間発生患者数は約2,500人と推定され、そのうち退形成性星細胞腫と膠芽腫の割合は合わせて90%近くを占めています。
テモダール®について(海外)
1999年1月にEUで、標準的な治療後に再発または進行した膠芽腫の治療薬としてテモダール®カプセルが承認され、その後、標準的な治療後に再発または進行した膠芽腫や退形成性星細胞腫などの悪性神経膠腫の治療薬として承認を受けました。また、1999年8月に再発の難治性退形成性星細胞腫の治療薬として、迅速審査(accelerated approval)によりFDAから承認を受けました。さらに、初発の膠芽腫の放射線治療との併用およびその後の維持療法の治療薬としてFDAから2005年3月に承認を受け、EUでは同じ適応症で2005年6月に承認を受けました。テモダール®点滴静注用はカプセル剤との生物学的同等性が検証されたことから、カナダで2009年1月、欧米では2009年2月にカプセル剤と同じ適応で承認されました。
Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.について
現在、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.は世界中が健康であるための努力を続けています。医薬品、ワクチン、生物学的療法および一般向けならびにアニマルヘルスケア製品の提供を通じてお客様と協力し、世界140カ国以上の国で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。さらに、さまざまなプログラムを通じて医薬品を必要とする人々への医薬品の寄付や供給を行い、医薬品へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。「Merck. Be Well.」
詳細については、 www.merck.com をご参照ください。
シェリング・プラウ株式会社について
シェリング・プラウ株式会社の親会社である、シェリング・プラウ・コーポレーションは、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A..と統合いたしました。
シェリング・プラウ株式会社は、革新性を機動力に、科学を中心に据えたグローバルなヘルスケア企業です。独自の医療用医薬品の研究開発とビジネス・パートナーとの協働により、有効で安全性の高い革新的な医薬品とその最新情報を提供しております。
詳細については www.schering-plough.co.jp/ をご参照ください。 |